高校卒業の前に学びたい酒の飲み方 急性アルコール中毒阻止

大酒飲みの中年のおっさん、おばはんが若者に酒の飲み方を指導することが飲酒を原因とした学生の死亡事案を減らすことにつながる。私はそう確信している。


第一に、学校教育における飲酒に関する指導もお世辞にもよいとは言えない。


私が高校を出た頃の保健体育の教科書にはいちおうイッキ飲みの危険性が言及されていたが、これはまったく不十分である。高校を出たての若者は「そもそも一升瓶て何」というレベルなのである。酒瓶のイラストは書かれていた記憶があるが、イラストでは一升瓶と四合の瓶のサイズを区別するのは難しい。


ちなみに、私と同世代の知人は、学生の頃スーパーで「一升瓶ってどーれだ?」と聞かれ「馬鹿にするなよ、これだろ」と言って堂々と4リットル入りのペットボトル焼酎を指差していた。


第二に、既成の運動が掲げる抽象的なスローガンは、若者に対する飲酒教育になっていない。


「自分のペースで楽しく」というスローガンは、飲酒の初心者にとって無意味であるどころか有害ですらある。自分のペースというが「自分が飲める」と思ったらいくら飲んでも大丈夫なのか?そして何より楽しけりゃいいのか?「自分のペースで楽しく」という言葉が意味を持つのは、ある程度自分のペースをつかんだ大人に対してである。


第三に、「大学の先輩」であっても、飲酒については初心者である。酔いの回り方は体調などに大きく左右されるため、長期間かけてさまざまなパターンの飲み方をしないと飲酒のことを本当に理解できるようにはならない。


けだし「イッキ飲み」が社会問題化した時期は、大学が増設されたころと重なっているのではないか。あくまでも仮説ではあるが、高卒で働き始めた場合、職場の飲み会で40代、50代の上司、先輩と一緒に飲むことが多いだろうが、高校卒業後に大学に進学した場合、飲酒について教えてくれるのが22歳前後の「先輩」であるというようなことが影響してはいないかと思うのである。


以上、若者に酒を指導すべきなのは中年のおっさん、おばさんではないかということを考えてきた。


なお、私が泥酔し暴れまわる姿を見て身をもって酒を学びたいという殊勝な心がけをもつ中高生ががいたら遠慮なく連絡をよこすように。お待ちしていますよ。