2011-01-01から1年間の記事一覧

自らの意識を実態のないものと捉える ──発達障害と般若心経

般若心経が説いている内容は真理だ。真理であるというのは、そこに価値判断は伴わない、ということである。 般若心経はあらゆるものが「空」であり「無」であると説く。これはともするとネガティブな意味に取られがちだ。生きることは無駄なことであると。し…

「知的障碍者の遊園地利用の規制」を考える

西日本新聞のサイトが「知的障害者に遊具規制」という記事を掲載していた。概要は以下の通り。 ・ある遊園地が知的障碍者の遊具利用を制限した。利用を制限する遊具は、1年半かけて遊具のメーカーと検討を重ねたという。 ・遊園地を訪問した軽度の知的障碍…

十数年、見聞きした事例は豊富。だが、この問題を考え抜いているのか?──『ドキュメント ひきこもり』を読んで

ドキュメントひきこもり 「長期化」と「高年齢化」の実態 (宝島社新書316)作者: 池上正樹出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2010/07/09メディア: 新書購入: 6人 クリック: 140回この商品を含むブログ (12件) を見る著者は、ひきこもりに対して、孤立を避け交流…

警備員が考える「秋葉原通り魔事件」─どうすれば被害を減らせたか

珍しく仕事の話をします。 「秋葉原通り魔事件」のケーススタディーを通して警備員が普段どんなことを考えているのかを知っていただければと思います。 Cace25歳男性が運転する2tトラックが赤信号の信号待ちの列を追い越し交差点に進入、歩行者を次々と跳ね…

就職活動をめぐる放言録

OA機器の普及と就職氷河期 少し前に小林よしのりがゴー宣で、専門学校卒、高卒、大卒すべて合わせた求人数は1980年から50万人くらい減っているというようなことを書いていた(数字はうろ覚え)。小泉政権下の好況が微増にしか見えないグラフで衝撃を受けた。…

necco訪問記

(他ブログより移行) 東京・西早稲田に発達障害者のための交流スペースがあるという話を聞いた。neccoというらしい。早速グーグルで調べてみたところ、そこは「オルタナティブ・スペース」であり、また発達障害者による発達障害者のための作業所であるとい…

発達障害をめぐる放言録(4) 診断のない発達障害者としての私

独特な言葉の理解 僕の母親はわりあい教育熱心で、僕が幼児のころから知育のために簡単なパズルみたいなものをやらされた。それを通じて、母は僕の問題文の理解のしかたが独特である、ということには気付ていた。幼児期のころ、星や丸などの記号を条件にした…

発達障害をめぐる放言録(3) 発達障害と社会

世代ごとのアスペの違い 僕はバブル世代で高学歴でアスペっぽい方を見たことがありますが、極めてタチが悪いと思った記憶があります。また、彼らと同世代の方々はアスペ的なものを毛嫌いしている感があります。アスペを嫌っている(ように見える)バブル世代…

発達障害をめぐる放言録(2) 発達障害者として生きる

問題行動としつけ 発達障害でgoogleのニュース検索をしていたら、発達障害児に暴行を受けた女子生徒が中学や保護者を訴え、和解が成立、というニュースが目に留まった。学校や保護者は必要な指導を行っていなかったと認定されたそうです。 発達障害による問…

発達障害をめぐる放言録(1) 発達障害とは何か

自閉症スペクトラム障害の研究史 レオ・カナーが自閉症を報告したのは1943年。それから67年が経過した。そう考えてみると生涯を通じて研究された自閉症者というのはまだ1〜2世代くらいしかいないのではないか。 そういや意外に誤解されているんだけれど、…